カメラというもの、つまりは写真というもの。
“写す”という機器、つまりはカメラというもの。
カメラがフィルムからデジタルになって、もうけっこうな時間が経つ。
フィルムカメラのことなんて知らない世代も増えてきていて、”フィルムって何?”と言われてしまうことも少なくありません。そんなめんどくさいことしてたんですか?みたいな言われ方もする。
そんな世代からすると、逆にフィルムカメラの方が新鮮で、そのフィルムの写り方に惹かれてしまう人もいる。そこであえてそのめんどくさいフィルム写真を撮る人も増えているという。くっきりと正確無比に映るデジタルカメラより、どこかアナログな手触り感がいいという感覚も人間らしいといえば人間らしい。人間は生き物である、目も脳も生ものである、単純にデジタルカメラのスペックには現れない、独特な味というものを感じ取っているのだろう。
カメラの写りは、デジカメによってメーカーごとに傾向というものが顕著になってきたと思う。フィルム時代はレンズがその傾向を左右していたけれど、今はセンサーの性能であったり、エンジンの味付けで微妙な変化を付けることができる。
このメーカーごとの傾向を、“絵作り”といったりもする。
その”絵作り”の表現に、“フィルムのような”とか、”フィルムライクな”という言われ方がすることがある。カメラが売れないこの時代、さらにコロナで追い打ちをかけられても、じわじわとファンを増やしているフジなどは、自社が製造してきたフィルム写りを表現する、その名も“フィルムシミュレーション”というモードまである。フィルム時代を知っている人間からしたら、フィルム写りを再現した、どこか懐かしいようなモードだけれど、フィルムを知らない世代は果たしてどう思っているのだろうか、なんて思ったりもする。
さて、私が愛用しているSIGMAのフォビオンセンサー(FOVEONセンサー)である。
このフォビオンセンサーは、よく巷では“フィルムライク”といわれることが多い。それは、光の三原色を取り込む積層式のセンサーで、カラーフィルムと同じ構造になっているからだと思うし、なるほど、そうかな?って思う写りがあるから、そう思われるのだろう。
でも、もしフィルム写真のことを知らなかったら、どう思うだろうか?
そう思って、手元にあるSIGMAのカメラを使ってみる。
すると、本当にフィルムライクと呼べるのは、フォビオンセンサーを積んだ記念すべき第一作、SIGMA SD9だけではないだろうかと思えてくるのです。
良くも悪くも、SIGMA SD9の写りは、写ルンですっぽい写りが出たり、ちょっとぼやっとしたようなフィルムのようなノスタルジックなものが出てくる。他の機種は、フィルムと比べるような次元ではなく、デジタルカメラとしての評価をしないといけないといけないのではないかと思います。つまりどういうことかというと、フォビオンセンサーは、デジタルカメラでできる新しい世界の提案をしているのであって、もはやフィルム写真と比較するなんていうことではなくて、新しい世界の写真技術として評価をすべきではないかと思うのです。SIGMAのフォビオンセンサーをフィルムライクと呼ぶのは、フィルムという過去にしがみついた評価であって、フォビオンセンサーの真価を伝えるものではない。
ということで、私がSIGMAのカメラをその日の気分で選ぶとき、フィルム写真を撮ろうって感じのときは、SD9を持って出かける。
本日はそんな気分だったので、SIGMA SD9を持って出かけました。
でも、うっかりISO400に固定していたので、ノイズが乗ってしまう写真になってしまったのはご愛嬌ということで。
※ いつものように、写真はRAW現像が基本で、圧縮しております(画質がその分劣化している)ことをご了承ください。




使用している寫眞機・レンズ・機材
SIGMA SD9
20-40mm F2.8 EX DG ASPHERICAL
これまでの寫眞機帖

写真好き、カメラ好き、レンズ好き
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
スマートフォンのカメラの性能が上がったけれど、やっぱりカメラが好き。とくに濃い感じの絵作りが好きです。メインはSIGMA。本業は鍼灸師、国際中医師、気功などの東洋医学畑。東京の表参道で源保堂鍼灸院・薬戸金堂を営んでいます。
本サイトの写真について
本サイトの写真は、基本的にはRAW現像したものです。
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しかし、それでもカメラが好きなものとしては、各カメラの絵作りのようなものが伝わればと思っておりますので、その参考になれば幸いです。