本日のカメラ:CONTAX G1
草原へ
私たちは草原に着いた。
このときの研修の一つの目的は、師匠が“草原を観たい”という思いからでもあった。
内モンゴル自治区に広がる草原を感じ、悠久の時を感じる、そこからまた古医書への思いを馳せようということだったのだろうか。
東洋医学・中医学の根底に流れる東洋哲学を実感するためには、そういった土地へ行くことも大事なことなのかもしれない。今は無くなってしまった鍼灸の研究会(鍼汪会)は、鍼灸界でもマイナーな存在であったと思うが、そこで講義をしてくれた教授陣は錚々たるメンバーばかりであった。東京大学名誉教授の戸川芳郎先生、同じく東京大学名誉教授の池田知久先生、『五行大義』の訳書などがある中村璋八先生などなどが講義をしてくれていました。これはひとえに師匠の情熱と深い見識の賜物だったと思う。
そんな稀有な存在である師匠が最後に私たち弟子に願った研修旅行。
今こうして写真を並べてみると、懐かしくもあるけれど、それ以上に、私自身の現在の到達点の未熟さを感じてしまうのだ。かろうじて鍼灸師を20年以上も続けてこられたのだから、これはもはや私だけの力によるものではないのだから、師匠の魂を引き継いで、これからも継承していかなくてはいけないと感じるのであります。
現地の人のお家へ
研修の前に、内モンゴル自治区の人々の生活を観に行った。
観光の一環として、そんな見学をする時間があった。
以下、その時の写真です。
二階堂師匠の姿
この現地の方のお宅訪問で、私の師匠である二階堂宜教先生は、内モンゴル自治区の民族衣装に着替えることになった。民族衣装でも、どうやらこれは村の頭が着るようなものらしい。
結局この衣装はお土産品として販売目的のものなのだけれど、師匠もまんざらではないようだった。案内してくれた内モンゴル自治区の人も“似合ってる!似合ってる!”と誉めそやしたりしていたが、師匠は「こんなの買ってったって着るところがあるわけないじゃない」と、むべもなく断った。
師匠はとても恰幅のいい人だったから、確かに写真のようにとても似合っていた。
もし師匠がご存命であれば、「こんな写真を載せおって!」と怒ることは間違いない。
しかし、もはやそんな怒ってくれる師匠はいないのだ。
今はもう記念だ。
人生を生きて来た記念だ。
自分の足跡、どこに遺してきたのか。
ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ記念。
今日の一冊
使用しているカメラ・レンズ・機材
これまでの寫眞機帖
写真好き、カメラ好き、レンズ好き
瀬戸郁保 Ikuyasu Seto
スマートフォンのカメラの性能が上がったけれど、やっぱりカメラが好き。とくに濃い感じの絵作りが好きです。メインはSIGMA。本業は鍼灸師、国際中医師、気功などの東洋医学畑。東京の表参道で源保堂鍼灸院・薬戸金堂を営んでいます。
本サイトの写真について
本サイトの写真は、基本的にはRAW現像したものです。
また、運営上の事情により、写真のファイルは圧縮や画面に合わせて縮小せざるを得ないところがあります。よって、本サイトで掲載している写真は、カメラの性能をそのまま現したものではなく、また、本サイトの目的はカメラの性能を示すためのものではないことをご了承ください。
しかし、それでもカメラが好きなものとしては、各カメラの絵作りのようなものが伝わればと思っておりますので、その参考になれば幸いです。